ハリウ活版工房

活版印刷承ります。

ハリウコミュニケーションズ株式会社では、ハリウ活版工房を設立し、皆様に活版印刷の魅力をお伝えするために、再び活版印刷の手仕事を始めることにしました。

ハリウの活版印刷物語②

掲載日:2022.2.2

せんだいメディアテークの地下1階にある活版印刷工房は、現役を退き寄贈された活字や印刷機をもとに、現在は活版印刷研究会をはじめとするボランティアの方々で構成され管理維持されています。

活版印刷研究会は2001年にメディアテークの開館記念事業の際に、活版印刷コーナーを設置したことがきっかけで発足しました。現在は月一回、工房にて活字を使った印刷の技術を学びながら、活字や印刷機などのメンテナンスを行っています。コロナ禍前はまでは定期的に一般市民向けのワークショップを開催し、活版印刷文化を伝えてきました。

弊社が、(株)針生印刷製本所の時代の「活字」「スダレケース」「植字台」「クワタ」「インテル」などが、今もなお活版印刷工房で使用されています。そして活版印刷工房で20年間指導しているのが専務の菊地です。

22歳で初めて出会った活版印刷の魅力に引き寄せられて43年。今もハリウ活版印刷工房に立ち、活字棚から活字を拾い、植字台で組み立てる作業(植字)を行う現役の職人です。

写真は菊地が手掛けた書籍の一部です。一冊分の植字作業にかけた日数は2日とのこと。

「読みやすく美しくするためには、余白、行間、文字間の黄金比がある」と菊地はいいます。「読みやすく美しい」その活版印刷技術は、現在の弊社の組版ルールに伝承されています。

「LCWS2019」に出展致しました。

掲載日:2019.11.27

10月28日(月)から2日間、仙台国際センターで開催されたLCWS2019展示会にハリウ活版工房が活版印刷技術を紹介するブースとして参加しました。

多くの外国人の方にも活版印刷機(テキン)で一筆箋の表紙を印刷する体験をしていただきました。

ハリウの活版印刷物語①

掲載日:2019.11.26

2019年7月、弊社の印刷工場の片隅に活版印刷の機材が設置されました。運び込まれた機材は、東京の下町で活版印刷を営んでいた方から譲り受けたものです。その機材で仕事をされていた方は15年前にお亡くなりになられているのですが、ご家族の皆様が亡き人を想い処分することなく大切に保管されていたものです。

譲り受けた活字棚の前で前掛けをして文選箱を左手に持ち文選をしているのは、今から40年前、ハリウコミュニケーションズ株式会社がまだ株式会社針生印刷製本所だった時代に、活版印刷職人の唯一の若手として活躍していた菊地淳(現在、専務取締役)です。

菊地は22歳で針生印刷製本所に入社し、最初に配属された部署が活版印刷課でした。先輩方から技術を学んだ菊地はすぐに頭角を現わし、その当時、難しいとされていた大手出版社の書籍などの文字組版を手掛けるようになります。

しかし、印刷業界はデジタル化の時代が始まり、各社にコンピュターが導入され、時間も人手でもかかる活版印刷の需要は激減してしまいました。それまで大活躍していた活版印刷の機材は、いつのまにか産業廃棄物として取り扱われるようになり、あっという間に印刷会社から姿を消すことになってしまいました。

文選:原稿を見ながら活字をさがして文選箱に並べていく作業のことをいう。

「活版印刷」というステータス

掲載日:2019.11.26

「活版印刷」をご存知ですか?

金属活字を一文字ずつ並べて組んだ版を活版印刷機械に取り付け、圧を加えて紙に転写することで文字を印刷する「活版印刷」。印刷した文字に触れてみると指先に微かな凸凹が感じられます。

その凸凹が活版印刷の特徴であり、文字に立体感を生み出します。職人の手仕事で一枚一枚刷り上げていく名刺やカード、一度手に取って、力強い文字の輪郭、デジタルでは表現できない風合いと手触りを感じてみてください。

弊社が活版印刷を導入したのは1946年。デジタル化が進み活版印刷の役目が失われていく中で、これまで静かに活版印刷の技術を守り伝えてきました。そしてこれから皆様に活版印刷の魅力をお伝えするために、再び活版印刷の手仕事を始めることにしました。